先日、遠方より一人のお客様が来店されました。
店内のガラスショーケースをぐるっと見渡された後、
「A4より少し大きいシンプルな額縁はありますか」
と尋ねられました。
わたくしがこの問いに応じ、
「太子か四ツ切、少し大きめの大衣もお見せします」
といった感じでいくつかのデッサン額を紹介しました。
温和な感じのお客様で、お話ししても非常に楽しい方。
暫くお話していると会話の端々に、
「だら~」
と言う聞き慣れたフレーズが入ってきました。
思わずわたくしお客様に、
「あのぅ、三河の方ですか?」
と失礼を承知で尋ねてしまいました。
すると、
お客様: 「今日は愛知県碧南市から来ました」
わたくし:「あっ、僕も高校が三河方面だったので」
お客様: 「こっち(名古屋)では使いませんよね」
わたくし:「いやいや僕もたまに自然と出てしまいます」
わたくし:「今も癖で、普通にじゃんねぇとか使います」
お客様: 「アハハ、向こうじゃそれが普通ですもんね」
といった和やかな感じで話が弾みました。
懐かしさもあって、そのまま雑団を続けていると、
お客様: 「ちょっとお尋ねしますけど」
お客様: 「〇ート ショップさんってご存じですか」
お客様: 「御器所のあたりの額縁専門店なんですが」
わたくし:「ハイハイ、黄色い外壁のお店でしたよね」
お客様: 「久しぶりに尋ねたら辺り一面更地でした」
わたくし:「えぇー、確か建物1階がお店でしたよね」
お客様: 「その建物自体が無くなって更地状態です」
お客様: 「店主さんは同業者でご存じないですか?」
わたくし:「わたくしも初耳でしたのでびっくりです」
なんでも、
お客様は長年こちらのお店に通われていたのだとか。
お店の経営者ご夫婦に色々と世話になったのだとか。
突然の閉店でご夫婦にお別れが言えなかった。
一目でいいのでお会いしてお礼が言いたかった。
と、後悔しきりのご様子でした。
また、
当方の伝手を頼りに何とか連絡を取って欲しい旨、
お客様から頼まれました。
微力ながら当方でも精一杯努力してみますね。
また1軒、同業者様が廃業されてしまいました。
この業界はここ数十年にわたり厳しい環境です。
〇ート ショップ様、
もしこのブログを見られるような事があったなら、
誠にお手数ですが一度ご連絡頂けますでしょうか。
同業他社さまとはいえ、長い間お疲れさまでした。